連作**
「アリと週末」 緒川景子
ふりだしにもどるだなんてあんまりだ 足取りは軽くみせないように
伝説になれないことを悟ったがそれがらしさというものだろう
やることがありすぎるので2階からスーパーボールを落とす実験
いつもより多くしゃべった 「ありがとう」「ごめんね」だけは心をこめた
ちっぽけな自信がひとつあればいいなんて嘘だね 足りるわけない
その価値がわからないのはいいことだ 昔からそれは鳥の箸置き
この家は夏あたたかく秋冬はとても涼しくとても快適
寝て起きて疲れてなくて洗濯機2回まわしてふたたび眠る
どうしても目立ってしまうシミなのでたたくのがいい 消えろ消えろと
ここにいることを伝えたかったけど来るはずのないひとは待てない
勢いをつけて電車に飛び乗った それだけでもうドラマチックだ
音楽も本も持たずにぼんやりと誰かが書いた広告を読む
猛毒は黒蜜の味 ああせめてウマイといって死にますように
特別な才能なんてないけれど今日はわかった 雨が降ること
この部屋を知らない人よこんにちは やどかりのように脱ぎ捨てていく
| 固定リンク
「連作短歌」カテゴリの記事
- 「夕暮鉄塔紀行07」 (2008.11.01)
- 「さよならコンクリート」(2007.01.31)
- 「降りてもそこにありますように」(2005.10.10)
- たまには自由にうたう(2005.08.26)
- 連作10首(2007.08.13)


コメント
中野さん。
平賀谷さんも書いてくれたけれど気づかないうちに
わたしにはわたしの作風ってのが出来ていて
そういう風に見てくれている人がいるんだなぁと思いました。
歌、確かに作っているうちにだんだんクセというか
なんかそういうのが出てきているよなぁとは思っていたのですが
そういうのが実はあんまり受け入れられていなかったら嫌だなぁとか
やっぱり作っているからには思うところもありました。
だからこうやって書き込んでもらえること、本当にありがたいです。
あと、大洋さんのはなし。
わたしは短歌を作るとき、読んでくれた人が温度とか映像とか音とか
そういうものを感じ取ってもらえたらなという思いがすごくあったので
中野さんが大洋さんの絵が浮かんだって書いてくれて
まじでーっていうくらいうれしいかったです。
特にこの歌に関してはわたしのなかでも思い描いている映像があるので
それが中野さんのイメージと一致していたらいいなぁ。
ありがとうございました。
投稿: 緒川景子 | 2005/09/13 20:21
平賀谷さん。
まさか平賀谷さんにいいなだなんていわれると思っていなかったので
なんか勝手にひとりで驚いてにやにやしてます。うれしい。
つた子さんのコメント欄にも書いたのだけれど
わたしは平賀谷さんに対してうらやましいだったのでした。
愛のときとかほんとうにいろいろ揺さぶられました。
連作についてはわたしもまだ手探り状態で何か見えろーと目を凝らしている感じです。
「ここにいる」の歌はできたとき少し手応えを感じたのでそういってもらえてよかった。
しかも女の子に。というところがなおうれしい。
ほかに挙げてくれた歌も作った時期とか結構重なっているものが多いので
そういうところもとても参考になりました。ありがとう。
投稿: 緒川景子 | 2005/09/13 19:39
↑引用しようとして「ぼんやり」が抜けちゃった。
ごめんなさい。
(すごく間抜け)
投稿: 中野玉子 | 2005/09/13 17:44
こんにちは。はじめまして、だと思います、たぶん。
緒川さんの作風、好きです。
こんな切り口はとても思いつけない。
羨望です。(いえ、緒川さんに限らずみなさんにもなのですが)
本当だ。枡野さん評のあと、新しい歌たくさん増えていますね。
この連作の女の子のような気持ちで洗濯機を回し掃除機をかけ、
ホットケーキを焼くことができれば、私だってもっと毎日が気持ちよくなるかもしれないのに。
私もにおいだけで飴の色がわかるような女の子になりたい。
いえ、もうおばさんなので気持ちだけでも。
ポッキーの女の子たちの情景はなぜか松本大洋さんの絵で脳裏に浮かびました。
好きな歌すごくたくさんあります。ほとんど全部かもしれない。
特に、といえば、んー。
>音楽も本も持たずに誰かが書いた広告を読む
また、見に来ますね。
投稿: 中野玉子 | 2005/09/13 17:42
ここにいることを伝えたかったけど来るはずのないひとは待てない
連作というものがいまいち掴みきれていないので、そういう形で感想は言いにくいんですけど、この歌はめちゃめちゃ好き。心地いい。
あと、とくに好きだなあと思うのはこの辺り。
ふりだしにもどるだなんてあんまりだ 足取りは軽くみせないように
やることがありすぎるので2階からスーパーボールを落とす実験
この部屋を知らない人よこんにちは やどかりのように脱ぎ捨てていく
猛毒は黒蜜の味 ああせめてウマイといって死にますように
寝て起きて疲れてなくて洗濯機2回まわしてふたたび眠る
なんとなくわたしのことを思い出し苦笑いするあなたがみたい
いつもより多くしゃべった 「ありがとう」「ごめんね」だけは心をこめて
きょうもまたおいしく出来た晩ごはん猫に見せびらかしていただく
緒川さんの作風と巧さがうらやましいです。いいなーいいなー。
投稿: 平賀谷友里 | 2005/09/13 13:16
捨てました。
必ずの言葉を信じてみます。
そして、30首目標にもうすこし作り続けてみます。
全部新作で、と思ったのですが
以前作った歌も混ぜてみようかな。
並べたらまたTBします。よろしくお願いします。
新人賞は興味がないけど感嘆短歌賞なんて
なんてすてきと思いました。
もしくは枡野浩一短歌賞、再び。
投稿: 緒川景子 | 2005/09/11 12:22
まず、弱い歌は思いきって捨ててください。
いつか、同じテーマでもっといい歌が必ず生まれます。
そして新しい歌を追加したりして、
30首くらい並べてみて。
30首いい歌だけで構築できたら、
新人賞にも応募できます。
「かんたん短歌blog」に発表した作品は
新人賞に応募できないけど、
感嘆短歌賞でもつくるかなあ……。
投稿: 枡野浩一 | 2005/09/10 11:35
ありがとうございます。
△の歌、確かに弱い、と自分でも思います。
(弱い=おもしろくないということに通ずるのでしょうか)
見ていると、理屈を伝えたいがために無理している感じがしてきました。
こういうのはスパンと抜いてしまったほうがよいのでしょうか。
投稿したはいいのですがこのあとの方向性をどうすればいいのか悩んでいます。
これで完結させずにもう少し膨らませていくべきなのか、とか。
どんどん新しい連作にチャレンジしていくべきなのか、とか。
投稿: 緒川景子 | 2005/09/09 22:20
ふりだしにもどるだなんてあんまりだ 足取りは軽くみせないように
△伝説になれないことを悟ったがそれがらしさというものだろう
やることがありすぎるので2階からスーパーボールを落とす実験
いつもより多くしゃべった 「ありがとう」「ごめんね」だけは心をこめた
△ちっぽけな自信がひとつあればいいなんて嘘だね 足りるわけない
その価値がわからないのはいいことだ 昔からそれは鳥の箸置き
△この家は夏あたたかく秋冬はとても涼しくとても快適
寝て起きて疲れてなくて洗濯機2回まわしてふたたび眠る
どうしても目立ってしまうシミなのでたたくのがいい 消えろ消えろと
ここにいることを伝えたかったけど来るはずのないひとは待てない
勢いをつけて電車に飛び乗った それだけでもうドラマチックだ
音楽も本も持たずにぼんやりと誰かが書いた広告を読む
猛毒は黒蜜の味 ああせめてウマイといって死にますように
特別な才能なんてないけれど今日はわかった 雨が降ること
この部屋を知らない人よこんにちは やどかりのように脱ぎ捨てていく
△の歌が弱くない?
あとはなかなか。
投稿: 枡野浩一 | 2005/09/09 03:41
ああ、痛いところを。
思いつかないのですみません直感でつけました。
それなりに思うところもあるのですが、
いや、自分でもそう思うのでもうちょっと考えて見ます。
ありがとう。
投稿: 緒川景子 | 2005/09/06 12:57
さすがです。
タイトルはもう少しいいものがある気もします。
投稿: 篠田算 | 2005/09/06 12:13